㈱ 魔界

振り向けば魔界

舌先で不埒に狙う下まつげ


ハイ☆スピードを観てきました。
これ以上の感想が要るでしょうか。

「ハイ☆スピードを観た」以上の言葉が必要なのかはわかりませんが、
上映時間をフルに使って胸の中に詰めに詰め込まれた感情を細々と流していきたい。
当たり前のように内容に触れまくっていくので映画を観た後に斜め読み程度に読んでもらえると嬉しいです。


桐嶋郁弥はいいぞ。

 


まず、Free自体にふれるのがFree ES最終回以来だったので、正直最初の方は「よし、Free観るぞ」くらいの気持ちでした。Freeから離れすぎていてあの夏にFreeが私の胸の中に叩き落としていった感情とか衝撃を完全に忘れきっていました。
椅子にダラっと腰掛けて、家にいるみたいにリラックスした体制でメロンソーダを飲みながら待機していました。

上映が始まって、まず遙がフリーを泳ぐシーンが映ります。
水泳経験が無いので、フォームがきれいだとかそういったところはよくわかっていないのですが、水を切っていく遙の体を数秒間観ただけで「あぁ、これから約二時間、男子中学生の裸体を合法的に観て良いんだ」という嬉しさで一回泣きました。

泳ぎ切ったあとに息を整えようと上下する体の、水が肩甲骨を伝うシーンは最高でした。
スポーツをしている男の子の肩甲骨が好きです。発展途上の筋肉が精一杯浮き出ている肩甲骨は天使の羽そのものです。 

中学生になったばかりの遙と真琴ですが、遙が不機嫌そうに鏡の前で学ランの自分とにらめっこをしているシーンはあれだけで50分くらいあってもよかったです。
それにしても遙と真琴は中学生の頃から、というかずっとああいう関係だったんだなと改めて見せつけられました。
小さいころからそうだったから、これからもずっとそうなんだろうと疑いもせずに(意識すらせずに)生きていた遙だからこそ、真琴の小さな変化(一人称を「僕」から「俺」にしたり、他の友達とつるんだり) に敏感なのがとてもよくて。
遙は本当に泳ぐことへの気持ちが強すぎて、他のことや自分の気持ちにすら思考がまわりきっていないようなところが多々あるように思います。真琴と違うクラスになった時の顔なんて、真琴が同じクラスになるのは当たり前でまさか離れるなんて微塵も思っていなかったような顔でした。
真琴がいるのは当たり前、もしいなくなったらなんて考えもしない。上映中何回「関白宣言……」と呟いたかわかりません。

そんな遙が初めて真琴がどこかへ行ってしまうと突きつけられるのがESの「俺、東京の大学に行くよ」です。
その後ちゃんと遙の方が選択して同じ大学に進学するという展開は本当に本当によかった。
真琴がそばにいるのは当たり前じゃないことに気付いて、自分から真琴と一緒にいる事を選んだということだけで私が言えることは「関東に来てくれてありがとう」だけ。

と、つらつらと言ってはみたものの、上映時間の3分の1が過ぎた頃にはもう頭の中は桐嶋郁弥のことだけでした。桐嶋郁弥はいいぞ。

まず下まつげがいい。長い前髪で隠しきれていない少年特有の色気がある。お兄ちゃんが大好き。下まつげがいい。完璧だった。お兄ちゃんが大好きな弟が大好きなお姉ちゃんだから、桐嶋郁弥は完璧だった。
「部活なんてお遊びだ」と冷めた態度を取るものの、煽られると乗ってしまう。負けず嫌いで、喋ると結構幼い言葉遣い。
桐嶋郁弥はいい。素直に弟にしたい。でも、桐嶋郁弥は夏也の弟だった。郁弥には夏也しかいなくて、夏也には郁弥しかいなかった。
郁弥が部活に否定的だったのも、夏也を取られたと思い込んでいたからかもしれない。夏也も夏也で、もう少しやり方があったんじゃなかったないのかとは思いましたよ。あれだけお兄ちゃん大好きな郁弥を突然きちんと説明せずに突き放すのは、郁弥の事を考えすぎて逆に郁弥の為になっていなかったのではないかと。
でもよく考えたら夏也も中3だった。意味がわからない。
高3って言われても納得するのに、夏也も尚も中3だったの?ど、どうして?

中学生の判断だと思うと、夏也の態度も妥当かなと思いますね。
ただ、夏也が思っている以上に郁弥は夏也の事が大好きだった。それだけだ……。
「僕には兄ちゃんだけいればよかった」で泣きました。
自分と夏也だけの世界があればいいと思っていた郁弥と、郁弥にもっと広い世界を教えたい夏也のすれ違いだけで映画もう一本あってもよかった。

夏也がもう少し大人だったら、きちんと時間をかけて夏也が教えてあげればよかったけど、あそこまで拗れてしまっていたのでもうショック療法的に解決するしかなかったよね。
郁弥は頭のいい子だから、だからこそ旭みたいな感覚タイプが効いたんだな……と思うし、中1の男の子が抱え込むにはあまりにも重すぎる感情が溜まりに溜まっていたから思いっきり泣いて発散させるのも必要だった。何もかも必要だったよ。必要じゃないシーンなんて無かった。あの子たちの青春に不必要なものなんて何ひとつなかったよ。

郁弥が吹っ切れた後の、「バカ旭」が全部告白に聞こえてた。
「バカ旭!(好き)」「バカ旭……(大好き)」
脳内補完の必要が全く無いこと受け合いのハイ☆スピードの劇中で唯一私が脳内補完したのが、いつか中3とか高校生になった郁弥と旭が、「おかしいだろ、男同士なんて……」「でも好きになったんだからしょうがないだろ!」「……バカ旭(ここで郁弥が泣く)」っていうのを0.5秒くらいで思いついて脳内フィルム足しておきました。商業誌かよ。

桐嶋郁弥はいいぞ。


あと、問題の山崎宗介シーンなんですけど、言いたいことはたくさんありますよ。
まず宗介は郵便屋さんじゃない、宗介は郵便屋さんじゃないんだよ!!!!!!
宗介が土手みたいなところで体育座りしてるシーンで泣きました。アホみたいに泣きました。
そしたら後方座席からもすすり泣くみたいな声が聞こえてきたので私は間違ってないです。泣き所です。

郁弥が泣く所まで凛がいなくて寂しかったということすら気づけなかった遙と、最初から何もかもわかっていた宗介が凛の事で言い合いをしているのはもう私これはESの頃から言ってるんですけどこれもう松岡凛の罪ですよ。罪以外の何物でもないですよ。男二人の人生狂わせてますから罪ですよ。
大抵のことでは動じない遙の鈍感メンタルでも凛というワンワードで面白いくらい乱されてますよ。

それに対して宗介は全部理解してる。凛の事をわかりすぎている。
凛が強くなりたくてオーストラリアに行くのもわかっている。自分が凛と一緒にいたくてそれでも凛のことを応援したいから我慢していることもわかっている。凛が遙の泳ぎに惚れ込んでいることもわかっている。凛が自分より遙を選んだこともわかっている。自分宛てに届いた手紙が本当は遙宛てだということもわかっている。
なんなんですか!?!?!?

凛どうしてそういうことするの?お姉ちゃん泣いたよ?
あの手紙、届ける前に読まずに食ってしまいたかったよ。黒ヤギお姉ちゃんになってやりたかったよ。
でも宗介はそんなことしない。「凛ならそうするから」で泣いた。もう泣いたっていうか鳴いた。鳴き声を上げていた。

宗介の行動の芯には常に凛がいて、凛の為に生きているわけではないけど凛のことをいつも考えている。
ESの「お前泣いちまうだろ」がひたすらに彼氏。ただの彼氏。
宗介はずっと、ずーーーっと凛のことを思って生きてきて別にそれが凛に伝わらなくても良いと思ってるし、郁弥の「バカ旭」が告白なら宗介はその行動すべてが凛への告白だよ。お姉ちゃん泣いてるよ。

宗介の凛への気持ちって、ただの自己犠牲とかそんなんじゃなくてもっと対等な、友達よりかはライバルに近くてそれでも全力の愛しか感じられない、ただ凛への愛しか伝わってこないんだけどきちんと説明しろと言われると出来ない。ただ宗介のキャラソンを聴いてくれとしか言えない。
宗介だけが凛に出来ることと、遙だけが凛に出来ることがあって、宗介が一番凛にしてあげたいことは遙にしか出来ない。
それと同じで、真琴が一番遙にしてあげたいことは凛にしか出来ない。
そういう風に世界が出来ている。

結局Freeは松岡凛という奇跡に振り回される男たちの話なのか?
松岡凛は何なんだ?松岡凛って何だ?
鳥取の波止場で泣きたい。

紆余曲折を経て結局松岡凛に帰ってくる。それがFree。
ただ今回はひたすらに桐嶋郁弥がよかった。桐嶋郁弥はいいぞ。いい匂いがする。
桐嶋郁弥の下まつげから滴る水滴の交通量を調べるバイトがしたい。

久々のFreeで最初はほぼ中学生時代の山崎宗介目当てで来た感はあったのですが、とんだ下まつげがいたもんです。
時間が許せばあと二回くらいは観たい。桐嶋郁弥を合法的に観たい。 

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特典のコースター、最高。
ありがとう。ありがとうFree、ありがとう桐嶋郁弥。

メリークリスマスアンドハッピーニューイヤー

 

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